2017年6月26日(月)、最年少プロ棋士の藤井聡太四段が竜王戦1回戦で増田康宏四段を破り、見事、公式戦29連勝で30年ぶりの新記録を樹立し、将棋界は大いに盛り上がっています。
藤井四段の連勝記録が、どこまで伸びるのか気になるところですが、竜王戦2回戦の相手は、16歳でプロ棋士になり、藤井四段と同じく天才と称される佐々木勇気六段です。
佐々木六段の強さは折り紙付きで、渡辺明竜王を2度も破っています。二人の天才同士の対局がどんな結果になるのか楽しみですね。
ここでは、佐々木勇気六段のプロフィールや強さについてご紹介します。
<2017年7月15日追記>
佐々木勇気五段は、7月11日に阪口悟五段との対局で勝利したことにより、六段に昇段しました。五段昇段後公式戦120勝による勝星昇段。
◆佐々木勇気六段ってどんな人?
佐々木勇気五段は、埼玉県三郷市出身の22歳。将棋を始めたのは、幼少時、正月に父親と将棋を指し、負けて悔しかったのがきっかけになったそうです。
その後、本格的に将棋にのめり込み、小学3年生で全国小学生倉敷王将戦低学年の部で優勝。小学4年生で奨励会(プロ棋士養成)入りを果たしました。
2003年 |
・小学3年生 全国大会(低学年の部) 優勝 |
2004年 |
・小学4年生 小学生将棋名人戦 優勝 ※渡辺明竜王以来、史上2人目の低学年優勝 ・奨励会入り |
2008年 |
中学2年生 13歳8か月で三段 ※当時の最年少記録(藤井四段は中1で三段) |
2010年 |
16歳1か月でプロ入り |
2013年 |
加古川青流戦でプロ棋戦初優勝を果たす |
2014年 |
NHK杯本戦2回戦で渡辺竜王に勝利 |
2016年7月 |
棋王戦1回戦で羽生三冠に勝利 非公式戦で藤井四段(当時三段)に勝利 |
2017年4月 |
王位戦白組3回戦で渡辺竜王に2度目の勝利 |
2017年7月 |
第76期順位戦で阪口悟五段に勝利し、五段昇段後、公式戦120勝を達成。これにより勝星昇段の条件をクリアしたので六段に昇段。 |
いかがでしょうか?
名だたる棋士を破っており、かなり将来が楽しみな佐々木六段。今後、どんなタイトルを獲ってくれるのか注目です。
さて、佐々木六段の将棋に対するスタンスを簡単にご紹介しますと、プロ入りに際して、タイトルを獲ることや連勝記録を塗り替えたいなどの意気込みを語っています。
そして、現在では佐々木六段が考案した「勇気流」という指し方が、将棋界の常識的な定石になっているそうです。その指し方は将棋界が注目するほど、独創性のあるものだそうです。
また、佐々木五段は美意識もあり、テレビ棋戦ではスーツで他の棋士が指すところ、佐々木五段は和服を着て、ファンに美しい姿を見せて指すなどのこだわりをお持ちのようです。
◆佐々木六段のエピソード
<佐々木六段の師匠の話>
天才と称される佐々木六段ではありますが、棋士として育ての親であり、師匠の石田和雄九段によるとこんなエピソードがあります。
当時、1級だった佐々木六段は格下の3級相手に負けてしまったことがあったそうです。すると、負けてトイレの中に入り込んで泣いて出てこなかったのでした。
石田九段は、佐々木六段の母親に「3級からやりなおしましょうか?」と提案したところ、あくる日くらいから勝ち続けたそうです。
<佐藤紳哉七段の話>
2017年7月10日放送の情報番組「バイキング」(フジテレビ)で、佐藤紳哉七段による佐々木六段のエピソードが紹介されていました。
佐藤七段によると佐々木六段は一言でいうと、「不思議キャラ」だそうです。以下、こんなエピソードが紹介されていました。
▼力うどん
佐々木六段は、力うどんに餅がのっていることを知らなかったらしく、力うどんにさらに餅をトッピングしてしまっていた
▼スキップ
何か嬉しいことがあったらしく、将棋会館から最寄り駅までスキップで帰っていた
なんだか微笑ましいエピソードですね。
◆佐々木五段vs藤井四段はどうなる?
※2017年の竜王戦で藤井四段と対局した時、佐々木六段は五段でした。
佐々木五段の師匠である石田九段によると、藤井四段との対局では次のことがポイントになるそうです。
佐々木五段は攻め将棋をスタイルとしており、先手を取るか取らないかが、藤井四段との対局ではかなり重要になると石田九段は語ります。
天才同士の対局とあって、1手が非常に重要なポイントなんでしょうね。
また、藤井四段と対局して、テレビの仕事が増えたと語る加藤一二三九段によると、佐々木五段と藤井四段の実力派互角。
ただし、連勝新記録を樹立した藤井四段の方が、気分を良くしているから“53%”の確率で藤井四段が勝つのではないかと予想しています。
加藤九段らしい予想の仕方ですね(笑)
<2017.7.2追記>
藤井聡太四段との対局の結果、佐々木五段が勝利をおさめ、藤井四段に初黒星をつけました。
佐々木五段の師匠・石田九段がポイントに挙げたように、佐々木五段が先手を取れたことが大きかったようです。
佐々木五段は対局後のインタビューで「自分たちの世代としての意地もあった。とにかく勝ちにこだわった」とコメント。対局前から藤井四段の研究をしてきたおかげかもしれませんね。
佐々木五段の竜王戦3回戦は7月8日(土)、阿久津主税八段と対局します。
◆佐々木五段竜王戦の結果は?
<佐々木勇気五段 竜王戦の結果>
▼2回戦/藤井聡太 四段
101手で佐々木五段の勝ち
※藤井聡太四段の連勝記録を止めました
▼3回戦/阿久津主税 八段
111手で佐々木五段の勝ち
▼4回戦/久保利明 王将
118手で久保利明王将の勝ち
◆abemaTV視聴数について
佐々木五段と藤井四段の竜王戦2回戦がabemaTVにて配信されました。対局はもちろん、もう一つ注目されたのはabemaTVの「視聴者数」。
7月3日(月)にabemaTVから正式な視聴者数が発表され、その数はなんと1242.5万と数字を叩き出しました。これは、abemaTV史上2番目の数字となりました。
abemaTV歴代視聴数ベスト3
※2017.7.8現在
※1人が複数回アクセスした場合も加算
<1位>
▼亀田興毅に勝ったら1000万円(2017.5.7)
1420万アクセス
<2位>
▼佐々木勇気 五段 対 藤井聡太 四段(2017.7.2)
1242.5万アクセス
<3位>
▼藤井聡太 四段 対 増田康宏 四段(2017.6.26)
793.9万アクセス
●まとめ
いかがでしたでしょうか?
余計な話かもしれませんが、イケメン棋士としても知られる佐々木六段は、藤井聡太四段との対局で、さらに名前と顔が世に知られることになりました。端正な顔立ちなので、女性ファンの数が増えるでしょうね。
藤井四段の連勝記録の件で、佐々木六段は将棋に馴染みのない方から注目されるようになりましたが、これをいい機会に長きにわたり二人の天才の対局が注目されるようになるといいですね。