2017年4月9日(日)に熊本県で行われるサッカー、キリンチャレンジカップ2017~熊本地震復興支援マッチ がんばるばい熊本~で、なでしこジャパンがコスタリカ女子代表チームと対戦します。
高倉麻子監督となって、新体制で臨んだアルガルベカップ(2017年3月)は、12チーム中6位という成績をおさめました。この結果について、高倉監督はチーム力が足りず、危機感を持たなければとコメント。
ただ、アルガルベカップを見たほうとしては、代表初召集の長谷川唯選手が2得点、大会トップの4得点をマークした横山久美選手など、面白そうな選手がいて楽しみではあります。もちろん、勝ちまくってくれるのが一番いいですが…。
さて、今回は親善試合ですが、コスタリカは国際経験を積む目的もあり、全力で日本に向かってくるはず。また、なでしこジャパンも高倉体制になって、国内初披露となる試合。どちらも全力でぶつかる好ゲームが期待できそうです。
ただ、コスタリカ女子代表チームは4月7日(金)、日本に到着し、セレモニーのあと2時間、雨のなかトレーニング。8日(土)に公式練習を行い、9日(日)の試合に臨むとあって、どこまで調子を上げられているかは気になるところ。これも国際試合の宿命でしょうが、ベストコンディションで臨んでほしいですね。
それでは、なでしこジャパンとコスタリカの世界ランキング、キリンチャレンジカップ2017の試合結果などをご紹介します。
◆なでしこジャパン注目選手は?
なでしこジャパンの高倉監督は、3月30日にコスタリカ戦の代表選手を発表。世代交代を進めるなか、今回は初選出となる選手は4名となります。
以下、コスタリカ戦のなでしこジャパン代表選手になります。
※ピンクの太字は初選出の選手
▼GK
山根 恵里奈(千葉)、池田 咲紀子(浦和)
山下 杏也加(日テレ)
▼DF
熊谷 紗希(リヨン)、中村 楓(新潟)
市瀬 菜々(マイナビ仙台)
高木 ひかり(ノジマステラ神奈川相模原)
石井 咲希(バニーズ京都)
※石井選手は体調不良のため京川舞選手(INAC神戸)に変更となります
鮫島 彩(INAC神戸)
※鮫島選手はケガのため杉田亜未選手に(伊賀FC)に変更となります
▼MF
阪口 夢穂(日テレ)、中里 優(日テレ)
長谷川 唯(日テレ)、隅田 凜(日テレ)
宇津木 瑠美(レイン)、猶本 光(浦和)
中島 依美(INAC神戸)
佐々木 繭(マイナビ仙台)
▼FW
横山 久美(長野)、田中 美南(日テレ)
籾木 結花(日テレ)、増矢 理花(INAC神戸)
大矢 歩(愛媛)、上野 真実(愛媛)
さて、あくまでも個人的な意見になりますが、注目選手に挙げられるのは、アルガルベカップやなでしこリーグで活躍した選手になるのではないでしょうか。
まず、アルガルベカップで大会トップとなる4得点を記録し、リーグ戦でも2試合2得点を挙げている横山久美選手。横山選手がガンガンシュート打つイメージがあり、チームの緊張をほぐし、流れを持ってくる選手ではないかと思います。リーグ戦では、トップのシュート数14本を誇ります。ちなみに、2位は7本。決定率はともかくガンガン打っていくシーンを見たいですね。
そして、リーグ戦2試合3得点、決定率トップの田中美南選手にも注目。アルガルベカップでは、あとちょっとで得点という場面がありましたが、惜しくもアルガルベカップでは、得点に至りませんでした。しかし、リーグ戦で結果を出しています。
横山選手とはアルガルベカップで2試合先発で2トップを張りました。なので、コスタリカ戦では、どこまで2人が成長しているのかを見てみたいです。
※横山選手、田中選手のリーグ戦の得点は2017年4月2日時点のもの
3人目は長谷川唯選手。アルガルベカップでは、非常にいい動きを見せてくれました。横山選手へのアシストや、アイスランド戦で代表初ゴールを含める2ゴールなどの活躍で要チェックの選手に。コスタリカ戦でも良い動きを見せてほしいです。
最後に、初選出となった選手から上野真実選手と大矢渉選手に注目。
上野選手は、2016年のU20ワールドカップで得点王になりました。代表でもその決定力を見せてくれるのか注目です。そして、大矢選手は、高倉監督曰く「女子ではなかなかいないタイプ」と評されています。個人で打開する力を備えているということもあり、是非先発出場で見てみたいですね。
以上が独断と偏見による、注目選手紹介でした。
◆コスタリカ代表の世界ランキングは?
それでは、コスタリカ女子代表の世界ランキングや直近の試合結果を日本の世界ランキングも合わせて見てみましょう。
▼世界ランキング(2017年3月24日時点)
日本:6位
コスタリカ:30位
▼コスタリカ女子代表の直近の試合結果
・2016年12月11日
コスタリカ 0-3 イタリア
・2016年12月14日
コスタリカ 1-3 ロシア
・2016年12月18日
コスタリカ 0-1 ロシア
代表戦ではこのところ勝ち星はついていませんが、世界ランキング自体は毎年コツコツと順位を上げ、2010年から比べると10位ほど順位を上げています。なお、コスタリカ女子代表は2015年にワールドカップ(カナダ大会)初出場。予選リーグで敗退しています。
さて、コスタリカのアメリア・バルベルデ監督は、国際試合で経験を積むことを基本とし、日本のことを色々分析してきたそうです。バルベルデ監督は「試合ではできるだけミスを無くして、自分たちのプレーを出したいと思っています」とコメントをしています。
◆コスタリカ戦試合結果
先発メンバー
位置 | No | 選手名 | 交代 |
---|---|---|---|
GK | 18 | 池田 咲紀子 | |
DF | 2 | 高木 ひかり | |
4 | 熊谷 紗希 | ||
23 | 市瀬 菜々 | ||
MF | 6 | 宇津木 瑠美 | 佐々木 繭(後18分) |
7 | 中島 依美 | 籾木 結花(後0分) | |
10 | 阪口 夢穂 | ||
14 | 中里 優 | 隅田 凜(後0分) | |
17 | 長谷川 唯 | 大矢 歩(後38分) | |
FW | 9 | 横山 久美 | 上野 真実(後24分) |
11 | 田中 美南 | 猶本 光(後41分) |
<ベンチメンバー>
▼GK
山根 恵里奈 山下 杏也加
▼DF
中村 楓
▼MF
杉田 亜未
▼FW
増矢 理花
◆試合データと結果
日本 | コスタリカ | |
3 | 1 前半 0 2 後半 0 |
0 |
前半 | ||
横山(23分) | 1 - 0 | |
後半 | ||
田中(29分) | 2 - 0 | |
籾木(37分) | ||
スタッツ | ||
22 | シュート | 5 |
15 | FK | 20 |
6 | CK | 2 |
0 | PK | 0 |
3 | GK | 15 |
1 | オフサイド | 1 |
◆試合まとめ
前半、コスタリカのキックオフで始まった試合は、序盤なでしこジャパンがペースをつかみます。日本の巧みなパス回しは、コスタリカを翻弄し徐々にチャンスを作ります。
前半13分、中島選手からのコーナーキックを田中選手がDFと競り合いながら頭で合わせましたが、枠をとらえきれずポスト左に。ただ、ラインを割る前に詰めていた横山選手が、ちょこっと触っていたらゴールが出来ていたかも。横山選手も申し訳ないという仕草をしていました。しかし、日本にとっては、良い流れに。
そして、前半23分、高木選手からパスを受けた横山選手が、ペナルティエリア外からワンステップで、左足を振りぬくミドルシュート。ゴール右上に決まる先制点をあげました。
その後も日本は、有利に試合を進めますが、追加点を奪えず前半終了。
後半はコスタリカの動きも良くなり、なかなか日本にゴールを奪わせず、時折日本がひやりとする場面も。
そして、後半24分、先制点を挙げた横山選手に代わって、日本代表初選出で熊本出身の上野選手がピッチに立ちます。
交替してまもなく、後半29分、その上野選手からのクロスを田中選手がダイレクトでシュート。見事、ネットを揺らし待望の追加点を奪います。見てて気持ちの良いゴールでした。また、アルガルベカップで得点を挙げられなかった田中選手が点を取ってくれたのが、何より嬉しかったです。やりぃ♪
さて、今日のなでしこはこれで終わりません。後半37分、日テレベレーザの長谷川選手と籾木選手が見せてくれました。
長谷川選手がコスタリカ代表のDFの足がギリギリ届かず、かつ、キーパーが出られないところにパスを出し、そこに合わせるかのように籾木選手が走り込み、冷静に流し込みダメ押しの3点目を追加しました。新生なでしこジャパンは、3-0と国内初試合で快勝。多くの観客を沸かせてくれました。熊本の復興試合としては、この上ない試合をしてくれたと思います。
なお、今回来日したコスタリカ代表は、2015年のワールドカップに出場経験のある選手がほとんど出場してきたそうです。世界ランキングで日本より下のチームとはいえ、ワールドカップ経験者が多く占めるチームから3得点を挙げてくれたのは、
なでしこの選手にとって非常に自信になったのではないでしょうか?
また、アルガルベカップよりもチームとして動きやパス回しがレベルアップしているように思えました。次の代表の試合が楽しみです♪頑張ってください!
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