「鉄腕ダッシュ」(日本テレビ)や「人生の楽園」(テレビ朝日)なんかを見ていると、1回や2回は都会とは違う田舎暮らしをしてみたいなって考える方もおられるのではないでしょうか?
2017年2月21日、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが、「2016年移住希望地域ランキング」を発表。どの県がランキング上位に入ったんでしょうか?また、過去のランキングと比べて、どんな傾向になってきたのかご紹介します。
◆移住希望地域ランキングって?
ふるさとや地方での暮らしを希望する都市住民と全国の地方自治体のマッチングを行う認定NPO法人ふるさと回帰支援センターでは、同センターが運営する「ふるさと暮らし情報センター」の来場者を対象に、2009年から移住希望先を含めた地方移住に関するアンケートを実施しています。
そのアンケート結果をランキングにし発表しています。過去の調査結果と合わせて見ると、移住希望先の傾向がどのように変わっているのか、また、移住を考える人にとってどんなところが人気なのか参考になり、興味深いデータになっています。
◆移住希望地域ランキング2009~2016
ランキングを見る前に、移住に関する歴史を簡単に振り返ってみると以下のようになります。
<1960~1970年代>
このころの移住者と言えば、定年退職者が大半を占めていた。
<1980年代>
日本はバブル期を迎え、田舎でもリゾートブームや不動産ブームが到来。田舎暮らしの刊行物なども発行され始める。
<1990年代>
バブル期の物欲の反動から精神的な豊かさが求められるようになる。“定年帰農”という言葉がブームになり、多様な価値観やライフスタイルの変化が見られるようになってくる。
<2000年代>
2000年代に入ってくると団塊の世代が、一気に定年退職をする2007年問題が浮き彫りに。受け皿として、移住に大きくスポットが当てられるようになる。自治体が空き家バンクを設け移住担当窓口を置くようになった。
以上がざっとした移住に関する流れです。移住促進に向けて各自治体が、空き家を貸してくれるシステムや、移住支援制度を作ったおかげで移住のハードルがぐっと下がり移住がしやすくなりました。
ちなみに、2000年代の移住ブーム以前は役所に相談窓口などはなく、物件を買わない限り移住は難しかったそうです。
それでは、2009年~2016年の移住希望地域ランキングをご紹介します。
※認定NPO法人ふるさと回帰支援センターのニュースリリースを元に作成
※ は西日本の地域
※西日本について
西日本の地域とは法律で厳密に定義されているわけではなく、また気象庁やNTT、JRなどでも違っています。なので、当サイトでの西日本は京都府、滋賀県、奈良県および和歌山県を含む府県から西の方を「西日本」にさせていただきます。
2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | ||||||||
回答数 788 |
回答数 775 |
回答数 406 |
回答数 1017 |
回答数 1642 |
回答数 2885 |
回答数 4325 |
回答数 6777 |
||||||||
順位 | 県 名 | 順位 | 県 名 | 順位 | 県 名 | 順位 | 県 名 | 順位 | 県 名 | 順位 | 県 名 | 順位 | 県 名 | 順位 | 県 名 |
1位 | 福 島 | 1位 | 福 島 | 1位 | 長 野 | 1位 | 長 野 | 1位 | 長 野 | 1位 | 山 梨 | 1位 | 長 野 | 1位 | 山 梨 |
2位 | 長 野 | 2位 | 長 野 | 2位 | 福 島 | 2位 | 岡 山 | 2位 | 山 梨 | 2位 | 長 野 | 2位 | 山 梨 | 2位 | 長 野 |
3位 | 千 葉 | 3位 | 千 葉 | 3位 | 千 葉 | 3位 | 福 島 | 3位 | 岡 山 | 3位 | 岡 山 | 3位 | 島 根 | 3位 | 静 岡 |
4位 | 茨 城 | 4位 | 岩 手 | 4位 | 茨 城 | 4位 | 香 川 | 4位 | 福 島 | 4位 | 福 島 | 4位 | 静 岡 | 4位 | 広 島 |
5位 | 山 梨 | 5位 | 山 形 | 5位 | 岩 手 | 5位 | 千 葉 | 5位 | 熊 本 | 5位 | 新 潟 | 5位 | 岡 山 | 5位 | 福 岡 |
6位 | 北海道 | 6位 | 茨 城 | 6位 | 大 分 | 6位 | 島 根 | 6位 | 高 知 | 6位 | 熊 本 | 6位 | 広 島 | 6位 | 岡 山 |
7位 | 福 井 | 7位 | 宮 城 | 7位 | 富 山 | 7位 | 大 分 | 7位 | 富 山 | 7位 | 静 岡 | 7位 | 高 知 | 7位 | 大 分 |
8位 | 山 形 | 8位 | 山 梨 | 8位 | 熊 本 | 8位 | 鳥 取 | 8位 | 群 馬 | 8位 | 島 根 | 8位 | 秋 田 | 8位 | 新 潟 |
9位 | 静 岡 | 9位 | 静 岡 | 9位 | 秋 田 | 9位 | 宮 崎 | 9位 | 香 川 | 9位 | 富 山 | 9位 | 大 分 | 9位 | 長 崎 |
10位 | 秋 田 | 10位 | 宮 崎 | 9位 | 宮 崎 | 10位 | 和歌山 | 10位 | 鹿児島 | 10位 | 香 川 | 10位 | 宮 崎 | 10位 | 宮 崎 |
11位 | 和歌山 | 11位 | 北海道 | 11位 | 新 潟 | 11位 | 山 形 | 11位 | 栃 木 | 11位 | 石 川 | 11位 | 富 山 | 11位 | 高 知 |
12位 | 栃 木 | 12位 | 秋 田 | 12位 | 栃 木 | 12位 | 高 知 | 12位 | 新 潟 | 12位 | 千 葉 | 12位 | 長 崎 | 12位 | 栃 木 |
13位 | 岐 阜 | 13位 | 岐 阜 | 12位 | 山 梨 | 12位 | 鹿児島 | 13位 | 山 口 | 13位 | 群 馬 | 13位 | 香 川 | 13位 | 鹿児島 |
14位 | 岩 手 | 14位 | 大 分 | 12位 | 鳥 取 | 14位 | 滋 賀 | 14位 | 島 根 | 14位 | 秋 田 | 14位 | 山 口 | 14位 | 愛 媛 |
15位 | 宮 城 | 15位 | 栃 木 | 15位 | 石 川 | 15位 | 山 梨 | 15位 | 大 分 | 15位 | 山 口 | 15位 | 新 潟 | 15位 | 富 山 |
16位 | 富 山 | 16位 | 福 井 | 15位 | 岡 山 | 16位 | 埼 玉 | 16位 | 茨 城 | 16位 | 長 崎 | 16位 | 福 島 | 16位 | 神奈川 |
17位 | 新 潟 | 17位 | 鹿児島 | 15位 | 鹿児島 | 17位 | 愛 媛 | 17位 | 石 川 | 17位 | 茨 城 | 17位 | 熊 本 | 17位 | 群 馬 |
18位 | 宮 崎 | 18位 | 群 馬 | 18位 | 山 形 | 18位 | 熊 本 | 18位 | 福 井 | 18位 | 広 島 | 18位 | 岐 阜 | 18位 | 熊 本 |
19位 | 群 馬 | 18位 | 和歌山 | 19位 | 群 馬 | 19位 | 栃 木 | 19位 | 千 葉 | 18位 | 高 知 | 19位 | 鹿児島 | 19位 | 福 島 |
20位 | 埼 玉 | 20位 | 富 山 | 19位 | 岐 阜 | 19位 | 山 口 | 20位 | 北海道 | 20位 | 和歌山 | 20位 | 和歌山 | 20位 | 秋 田 |
19位 | 静 岡 | 20位 | 三 重 |
いかがでしょうか?
安定した人気を誇る長野県とここ数年上位に躍り出た山梨県が移住希望者にとって気になる地域のようです。いずれも海なし県が上位なのが意外でしたが、田舎暮らしのイメージとしてはこの両県がピッタリだと思います。
なお、移住希望地ランキングの変遷として、東日本大震災を境に西日本の希望地が増えています。2016年の結果では九州が20位以内に6県もランクイン。佐賀県が入ってきたら完璧ですね(笑)
次章では移住を検討している人数の推移をご紹介します。
◆移住希望者の推移は?
ふるさと回帰支援センター(東京)への来訪者や問い合わせの数は以下のように推移しています。
※画像はクリック(タップ)で拡大します
年々、訪問者や問い合わせの数が増加しており、移住について関心を寄せている人が多いことが伺えます。また、ここではデータを割愛しますが、20代~30代の移住、Uターン希望者も増加しています。今では若者の移住も定着しつつあります。この先、各自治体による若者の争奪戦なんかも出てくるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
移住に興味のある方は「ふるさと回帰支援センター」や、各都道府県のホームページなどにさまざまな情報がありますので、一度覗いてみてはどうでしょう。
ちなみに、私は10年ほど前に、東京から高知県に移住しました。その際、東京都にある高知県事務所を訪ね、転職を含めた相談に乗ってもらったことがあります。
結論から言うと、当時はまだ制度がそれほど整備されていなかったようで、情報収集も職探しも引っ越しもほぼ「自力」でした。
役所の人が親身になってくれなかったわけではありませんが、高知県への移住に関しては「お金を持った高齢者」に来てほしい…なんて衝撃の一言がありました。まぁ、その人の個人の意見なのか、県の方針だったのかについては、ここでは触れませんが(後者?)。
ただ、今は移住促進に力を入れており、さまざまな関係機関が連携して、職探しや移住先を探す手助けをしてくれています。
全国津々浦々で、人口減少が起きており、移住してくれる人を歓迎する風潮がある一方で、実はそうでもないところがあったりもします。
本当に移住したいと思う土地に出会うため、いろいろと旅行したり、移住イベントに参加するなど、よくよく考えて行動した方がいいことは間違いありません。
イメージだけで移住すると、痛い目に遭うこともあるので、そこだけはくれぐれもご注意ください。
なお、私の場合は、いきなり田舎には行かずに、高知県の県庁所在地(高知市)に移住しました。時折田舎に足を運んでみて、いきなり田舎に行かなくてよかったと思った次第です(理由は聞かないで)。
県庁所在地とはいえ、東京23区から比べたら自然も豊富で空気もキレイだし、生活圏に何でもそろうので、暮らしていくぶんには何の不自由もありません。
とはいえ、仕事がない。本当に、仕事がありません。環境もいいし、ご飯も美味しいけど、人はどんどんへっていて、過疎化が激しく進んでいます。
仕事があればまだましなのに…と思わずにはいられませんでした。なので、移住しても仕事があって財政状況に余裕がある人や、場所を選ばず仕事ができるアーティストやIT関連の人なんかには、高知県はおすすめです。
また、高知県の県民性は人懐っこく、方言も面白い。東京から某公共設備の事務所に電話をしたところ、ありえないくらい土佐弁でしゃべられて、申し訳ないですが笑いをこらえるのに必死でした。
そんな高知県なら、心豊かに暮らせることは間違いなしですよ!
…まぁ、私は仕事の関係で、他県に移りましたが(笑)