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PPAPも狙われたパテントビジネスってなに?赤の他人が商標登録する恐怖!

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「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」で有名なピコ太郎さんが、この歌を歌えなくなるかもしれないという問題が浮上しています。

ピコ太郎さんの所属レーベルでもあるエイベックスがPPAPの商標を持っているかと思われていたのですが、実はエイベックスより先にある男性が商標出願をしていたというのです。

さらに、この男性、ピコ太郎さんやエイベックスとなんの縁もゆかりもない全く赤の他人。なぜ、そんな赤の他人が商標出願をするのか?そして、この男性の目的は一体なんなのか?

パテントビジネス(トロールビジネス)に潜む恐怖や情報番組「ミヤネ屋」がこの男性に取材した内容を合わせてご紹介します。

 

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●「PPAP」を巡る経緯は?

それでは、ピコ太郎さんの「PPAP」を巡る騒動の流れをご紹介します。

 

<2016年>
8月25日
ピコ太郎さん、「PPAP」をYouTubeで公開
9月27日
世界で活躍するカナダの人気ミュージシャン、ジャスティン・ビーバーさんがツイッターで「PPAP」を絶賛。世界中で「PPAP」が話題になり、ピコ太郎さんは一躍人気者に
10月5日
問題の男性が「PPAP」「ペンパイナッポーアッポーペン」など関連する用語を商標登録するため特許庁に出願
10月14日
遅れてピコ太郎さんの所属レーベル、エイベックスが「PPAP」を商標登録するため同じく出願

一連の流れは以上のようになります。さて、ここで商標登録とは何ぞやということをPPAPを例にとって説明します。

例えば、巷で流行している“PPAP”という名前を使ったTシャツを販売しようとします。でも、人気のあるその言葉は皆使いたいですよね。

そこで、他の人に真似をされないよう“PPAP”という言葉を特許庁というところに「商標出願」します。そして、審査などを経て、認められると「商標登録」となります。

商標登録されると、他の人は“PPAP”という名前を使ったTシャツを販売することが法律上できなくなるというわけです。

で、ここで一番の問題になっているのは、PPAPという言葉を生み出したり、広めたわけでもない第三者が商標出願しているというところなのです。実は、商標出願というのは誰でも行っていいと認められているんです。ただし、登録されるかどうかは特許庁が審査を行ってから使用の可否の結論が下されます。

ちなみに、商標出願して認められるには半年ほど時間が掛かるそうです。

 

<商標登録の流れ>

 

さて、次章ではこの問題の男性についてご紹介します。

 

 

●出願した男性とは?

現在、「PPAP」などの商標登録出願をしている男性。実は、今回だけでなく2016年7月ごろにも、商標登録を大量出願していたことでニュースに取り上げられていた男性なんです。

その男性とは、大阪府在住の元弁理士、上田氏(53歳)という人物。弁理士は2013年に登録抹消されています。

この上田氏は、2014年ごろから大量出願を始めており、現在に至るまでなんと1万4786件(会社+個人)も出願。国内全体では約14万7000件が出願されており、上田氏だけで全体の約1割を占めています。

 

<上田氏による異常な数の商標出願>
  2014年 2015年 2016年
1位 上田氏
6376
ベスト
ライセンス
8130
ベスト
ライセンス
7917
2位 資生堂
458
上田氏
6656
上田氏
2661
3位 花王
423
星孝一氏
848
サンリオ
474
4位 サンリオ
359
資生堂
656
資生堂
298
5位 富士通
351
サンリオ
483
コーセー
242

※ベストライセンス株式会社は上田氏が設立した会社
※2016年5月時点の数字。特許庁と知的財産情報会社「ルートip」のまとめを引用

 

表からわかるように、明らかにおかしなことをやっています。ここで、疑問に思われるかもしれませんが、PPAPのように明らかに誰が作ったのかわかるようなものは認めなければいいじゃないかとなります。

しかし、そこには一つ大きな問題があります。通常、1件の出願に少なくとも1万2000円の手数料を特許庁に支払わなければなりません。上田氏は約1万5000件という数の商標出願をしており、1件1万2000円とすると全額でおよそ2億円になります。

で、この必要手数料を上田氏はほとんど支払っていないようなのです。手数料が支払われないと半年程度で出願が取り消されるのですが、この間の商標出願の案件は「審査待ち」と特許庁の情報サイトに掲載されます。

 

この上田氏が商標出願を乱発したせいで、名前の使用を諦めるという実害が発生しました。

群馬県太田市は建設を進めていた美術館・図書館複合施設の愛称を「おおたBITO」で商標出願しようとしました。しかし、上田氏が先に出願していたのです。上田氏から「BITO」を使う権利を譲りたいとの趣旨のメールが太田市に来たそうですが、応じることなく別の愛称を検討しているとのこと。

ちなみに、太田市のこの施設……ロゴの使用まで断念せざる負えない事態となったのです。それは、ロゴのデザインを担当したのが、アートディレクター・佐野研二郎氏だったのです。

佐野氏といえば、東京五輪・パラリンピックのエンブレム問題の中心人物。結局、エンブレム同様使用予定だったロゴも他国のデザイナーの作品と似ていると指摘され、市はロゴの使用を断念することになりました。

太田市のホームページで見たこの複合施設。非常に素晴らしい施設なので、じっくり時間を掛けて愛称とロゴを決めてほしいと思います。

さて、話を戻しますが、この上田氏の行為で迷惑を被る方が出ていることや、国のシステムの問題が浮き彫りにされる形となりました。

ただ、上田氏はあくまでビジネスとしてこのシステムを利用しており、悪気がないようなのです。

上田氏のインタビューをご紹介する前に、商標登録でお金もうけをするビジネスについて、ごく簡単にご紹介します。

 

<記事中>

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●トロールビジネス(パテントビジネス)

自らは特許権に基づく製品の開発・製造・販売は行わない一方、知的財産を先におさえ、本来それを必要とする企業や人から賠償金やライセンス料を得るビジネスモデル

 

以上がトロールビジネスについての説明になります。

このことを踏まえて次章の上田氏のインタビューをご覧ください。なお、インタビューは2017年1月26日放送の「情報ライブ ミヤネ屋」で放送されたものをまとめました。

 

●上田氏のインタビュー

ミヤネ屋は、街角で上田氏にインタビューを決行。その内容は以下の通りです。

Q.なぜ「PPAP」の商標出願をしたのか?

A.出願目的は3つ。まず、ひとつ目は自分自身がソフトウェア関連の仕事をしており、音楽も取り扱っている。「PPAP」に関する事業を始める可能性があるから出願した。

ふたつ目は誰かにライセンス…ゴニョゴニョ(聞き取れなかったですが、ライセンス契約や譲渡のことをいいたかったのでは)。

みっつ目は出願日が非常に重要なことなので、先に出願した。また、後日(商標を)実施をする時に活用するため。

 

Q.「PPAP」をどうのように使うのか?

A.今のところ具体的な計画はない。今後、何かの形で実施するかもしれない。

 

Q.今後エイベックスとどのように関わるのか?

A.エイベックスが出願しているのを最近知った。出願日により勝ち負けが決まる。私の方が9日先ですので、私の商標のほうが権利化される。もし、エイベックスさんがその気になれば、(私と)契約、ライセンス許諾等ができれば思っています。

 

Q.なぜ「PPAP」を出願したのですか?

A.今回、ピコ太郎さんやエイベックスさんが事業展開するのであれば、私より早く出願するべきだった。

それができなかったということで、私が勝っている状態。ですので、私の許諾も得ずに、すなわち私が出願した商標を無視して事業展開していくとこれから商標権侵害とか、損害賠償請求に結び付く可能性がある。

また、これから将来エイベックスさんと交渉の上、ライセンス許諾をできればと思っています。

 

Q.世間から「おかしい」という見方もありますが?

A.今回の目的は、もうひとつある。私的な側面と公的な側面がありまして、私的な側面はビジネス。すなわちお金儲けです。そこだけ着目したら人がやったものでずるいとか勝手に商標を出願するのはずるいという考えがあるかと思いますが、決して違法ではない。

 

Q.生業としているのですが?

A.これだけじゃないです、一部です。

 

Q.「一部の人が多く出願している」と(特許庁が)注意喚起していることはどのように思いますか?

A.本来、特許庁の立場からいえば、ユーザーに対して国民に対して、もっと出願しろというのが本来の特許庁の仕事。

だから、一部の出願する人間が多く出願したからといってガタガタ言うべきではない。

 

以上が、上田氏のインタビューになります。ま、こんな問題が起きているので、今後、法律的に色々と改正されていくのではないでしょうか?

ちなみに、コーナーの終わり際、弁護士で俳優の本村健太郎さんの話によると、商標出願には45の区分があります。その分類ごとに手数料を支払う必要があるのです。また、上田氏とエイベックスの出願区分は全てかぶっているわけではないです。

ただ、「インターネットを利用して受信し及び保存することができる音声・音楽ファイル」の部分がかぶっていたので、ここはどうなるのかなと思いましたが、本村さんによると、多分特許庁が上田氏に許可を出さないのではないのかと答えています。

 

最後に、上田氏が商標出願しているごく一部をご紹介します。

 

 

●こんなのも商標出願?

上田氏が商標出願しているワード。

<流行語orよく聞いた言葉>
・じぇじぇ
・やられたらやり返す
・STAP細胞はあります
・ダメよ~ダメダメ
・ゲス不倫
・アナと雪の女王
・ペンパナッポーアッポーペン
・妖怪ウォッチ

<商品・サービス名・固有名詞など>
・リニア中央新幹線
・MY NUMBER
・民進党
・おおさか維新の会
・北陸新幹線
・新幹線
・USJ
・年末紅白歌合戦

<数字を入れ替えるもの>
・WINDOWS □ …□には9~13の数字が入ります

 

●まとめ

いかがでしたでしょうか?

上田氏が2016年10月5日に「PPAP」の商標出願をしました。その半年後となると、3月4月ごろなので、その頃に何らかの結論がひとまず出ると思われます。

多分、特許庁は上田氏には許可しないんじゃないかと思いますが…果たして…。

それよりも個人的に気になるのは、ピコ太郎さんが3月4月にも、まだテレビ出演をしているかどうか…。せっかくエイベックスが商標登録したのに、世間から飽きられ需要が無かったらと思うと……(((;゚Д゚)))ガクブル

ピコ太郎さん、頑張ってください!!

 

記事下用

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